東京つばめ塾塾長の小宮と申します。
現在、子どもの貧困率は、7人に1人と言われています。子ども食堂やフードバンク活動が活発になる中、私は、東京の八王子において、2012年に「八王子つばめ塾」を設立し、「無料塾」を運営して参りました。経済的な理由で塾に通えない子どもたちに、ボランティアの講師が無料で勉強を教えるというものです。設立以来、400名以上の生徒が入塾し、現在も30名程度が学んでいます。教室は市内に4か所展開。ボランティア講師が50名も参加してくれています。しかしこれは、塾代の単なる代わりではありません。無償で教えるボランティア講師に触発され、将来は、自分も社会や人の役に立ちたいと願う青少年の育成も兼ねているのです。
その後、八王子つばめ塾の姉妹校として、神奈川県相模原市に「淵野辺つばめ塾」、大阪府豊中市に「豊中つばめ塾」、東京都町田市に「鶴川つばめ塾」をそれぞれ設立しました。さらにつばめ塾の趣旨に賛同して「つばめ学習会」と称して展開する無料塾や、八王子つばめ塾を見学してから始めた無料塾も全国に20を超えます。こうして無料で行う学習支援の輪が全国に広がっているのです。
そして、2019年1月に、東京の大手町で中華料理店を営みながら、「和平かるた」を製作している砂子田さんと出会いました。経済的に苦しい子供たちへの支援を考えていらっしゃり、お互いにその考えに共鳴するものがありました。そこで、文京区に「無料塾」を開くことにいたしました。
将来的には、この無料塾の運営が軌道に乗ったところで、将来の学費も援助するという事業にも乗り出したいと思います。現在高校への進学率は98%以上です。そしてさらに上級学校(4年生大学、短期大学、専門学校等)への進学率は、東京では85%を超えます。つまり、今では進学しない生徒のほうがマイノリティなのです。しかし上級学校への進学には費用が掛かります。政府の実施する「高等教育無償化」も、現段階では先行きが不透明です。このような状況の中、生まれた家庭の経済状況だけで将来が狭められることがないように、学費援助を実施していこうと考えています。
未来ある子どもたちを育てるには、子どもに対する熱意・愛情と、それを支えるみなさまの温かいご支援が必要です。どうぞよろしくお願いいたします。
東京つばめ塾 塾長 小宮位之